飲食店情報サイト「楽天ぐるなび」を運営する株式会社ぐるなびは、2025年12月3日、2025年の世相を反映した食を「今年の一皿」として発表しました。
「今年の一皿」は、「楽天ぐるなび」における検索履歴などのビッグデータに加え、2,850万人(2025年11月5日時点)のぐるなび会員を対象としたアンケート、メディア関係者による審査を経て選ばれます。選定基準は、その年に話題になった出来事や、食文化の記録として後世に受け継ぐ価値があるかどうか。今年で12回目を迎え、過去には「うなぎ」「ご馳走おにぎり」「アルコールテイスト飲料」などが「今年の一皿」に選出されています。
今年は「お米グルメ」「麻辣湯」「ご当地うどん」に並び、「抹茶」がノミネートされました。その中から実行委員会による最終承認を経て、2025年の「今年の一皿」には「お米グルメ」が選出され、準大賞に「抹茶」が選ばれました。

準大賞の決め手は国内外での抹茶ブーム
準大賞に選ばれた「抹茶」は、国内外での需要拡大を背景に、2025年を象徴する食として評価されました。
今回の選出理由について、「ぐるなび」の担当者に話を伺いました。
「世界的な『Matcha』ブームが日本に逆輸入される形で、抹茶の価値が再認識されていることが、選出の背景にあります。抹茶を含む緑茶の輸出額が過去最高を記録するなど、今や抹茶は単なる飲み物ではなく、世界に誇る日本のブランドとなりました。また今年は、訪日外客数が過去最速で3,000万人を突破しました。訪日外国人の健康志向や日本食ブームも相まって、抹茶スイーツやドリンクが、日本を象徴する食体験として人気を集めています」

さらに、飲食店においても抹茶の広がりが、これまで以上に見られるといいます。
「例えば、タリーズコーヒージャパンが高品質なカフェの新業態をオープンし、目の前で抹茶をたてるラテを提供していることや、サントリーホールディングスが、バー『茶室BAR ROKKAN by ROKU GIN(ちゃしつバー ロッカン バイ ロク ジン)』を、2026年6月までの期間限定で『グランドプリンスホテル高輪』にオープンしていることなどが挙げられます。抹茶を“飲む”だけでなく、“体験”とともに提供する店舗が広がっています。また、居酒屋業態でも、生産地の茶葉を生かした“ブランド茶割”が見られるなど、地域性やストーリーを重んじる店が増えてきていると感じています」
「今年の一皿」実行委員会は、今後の抹茶市場をどのように見通しているのでしょうか。
「今後もインバウンド消費が抹茶人気を牽引し、高品質な抹茶への需要は、さらに高まっていくと考えています。一方で、急激な需要増により深刻な原料不足を招いたことから、食文化としての持続可能性が、今後も問われていくはずです。『今年の一皿』をきっかけに、日本の食文化である抹茶を支える生産者や飲食店の方々への応援にもつなげていきたいと思います」
米不足で価値を再認識
「今年の一皿」の大賞に選ばれたのは「お米グルメ」です。「お米グルメ」は炊き込みご飯や米粉パンなど、米や米を使った料理全般を指します。
その選出理由として、猛暑による不作や価格高騰を背景に、米の安定供給への関心が高まったことが挙げられました。加えて、玄米や雑穀米などの健康米市場の広がり、備蓄米をおいしく食べるための調理の工夫、米粉・酒・長粒米などの活用が話題となった点も評価されています。

記者発表会では、お米の専門家が今年のお米事情について議論しました。
登壇したのは、東京・原宿「小池精米店」三代目店主で五ツ星お米マイスター・東京米スター匠の小池理雄さん、米・食味鑑定士やごはんソムリエ、お米ライターとして活動する柏木智帆さん、そして「農事組合法人おきす」代表理事の森脇康博さんの3名です。

まず、「小池精米店」の小池理雄さんが、お米への関心の高まりについて語りました。
「お米の価格高騰をきっかけに、お米そのものへの関心が高まり、おいしいお米を選ぼうとする人が増えました。特にコロナ以降、飲食店でも米へのこだわりを打ち出す動きが広がっています。また、健康意識の高まりから、玄米や五分づき米を求める声も増えています。農薬を使わないお米にも注目が集まっています」
続いて、柏木智帆さんが今年の動向を分析しました。
「備蓄米が出回るなかで、おいしい炊き方にも関心が集まりました。外国産米が入ってきたことで、日本米の特徴や、和食との相性の良さが改めて見直されています。日本のお米は、うるち米だけでも300品種以上あり、作り手や栽培方法によって味わいが大きく異なります。ぜひ、さまざまなお米を食べ比べてみてほしいですね」
最後に、島根県で米を生産する森脇康博さんは、次のように語りました。
「2025年は、猛暑による不作や価格高騰に翻弄された一年でした。近年の天候不順を受け、私たちは高温耐性に強い『つや姫』という品種を生産しています。また、安全・安心なお米づくりのため、農薬や窒素を地域基準の半分以下に抑えた特別栽培にも取り組んでいます。さらに、CO₂削減を目的に、バイオ炭を活用した土壌改良も進めています」
森脇さんが生産する環境に配慮したお米「意味のあるお米」は、食品お取り寄せサイト「ぐるすぐり」で販売されています。

なおノミネートされた中国・四川発祥の麺料理「麻辣湯(マーラータン)」は、野菜やたんぱく質を手軽に摂れる点や、辛さや具材を自由に選べるカスタマイズ性が、若年層を中心に人気を集めました。

「ご当地うどん」は、物価高騰化でも手頃な価格で満足感があり、地域文化を体現する料理として幅広い世代に支持されたといいます。

今回「今年の一皿」にノミネートされた料理が楽しめる飲食店では、ポスター掲示も行われます。ぜひ注目してみてください。

「今年の一皿」公式サイト
https://gri.gnavi.co.jp/dishoftheyear





