近代茶人・松永耳庵が晩年を過ごした小田原市の松永記念館で、高井純子さん、相田芽美さん、御茶村さんという3名の30代若手茶人による茶会「耳味会(じみかい)」が2022年12月11日に開催されました。
お茶を楽しむ次世代の茶人の活動をレポートします。
「耳味会」はお茶好きが繋がり、ともにお茶の輪を広げたい、また流派関係なく若手茶人が亭主をする機会を増やしたいという想いで発足した会です。
今回のイベントでは松永記念館内の3箇所で茶席が設けられ、ひと席あたり4名ずつ、合計24名のお客がもてなされました。
こちらは高井さんの茶席の様子です。

高井さんの迎え入れの席の掛軸。三席三様を表します。

相田さんの席では、年の終わりに茶で集えたひとときをしみじみ味わいます。

御茶村さんの席は、一年を振り返り、それぞれの実りを願うというものでした。

「耳味会」を企画した高井さんは、「小田原は、元はお茶文化が盛んな街だったので素地があると考えます。茶の湯には茶道経験がない方でも心震わされる要素はたくさんあります。珈琲や紅茶を飲むように、日本茶を身近に感じていただけるような活動を続けていきたいです。」と語ります。
高井さんはお茶のイベントを主に小田原市内で毎月開催しています。イベント情報はインスタグラムで発信しているので気になる方はぜひアカウントをフォローしてみてください。
インスタグラム https://www.instagram.com/junko.tk0/
3名の若手茶人の紹介
高井純子さん(藪内流)
京都で古儀茶道藪内流を学ぶ。後に東京に引越すが、⼈間が⾃然の⼀部であることを再認識する為に⼩⽥原へ移住。2021年より毎⽉松永記念館で、茶の⼀服をきっかけにそのひとときを共に楽しむ茶会を開催。⽇常にある美しさを掬い上げるようなケの中のお茶を⽬指す。
相田芽美さん(裏千家流)
埼玉県東大宮のお茶屋「茶 岡野園」に生まれ、「現代の町のお茶屋」をコンセプトに三代目の妹とワークショップや商品開発をおこなう。個人でも旅館やホテルに向けた淹れ方指導やセミナー講師等を担当。
御茶村さん(表千家流)
農水省公式YouTube「BUZZ MAFF」において日本茶の魅力を発信する「日本茶チャンネル」を企画。「御茶村さん」として出演、撮影、編集を行う。2021年に農林水産省を退職し、個人でお茶の振興活動を継続。現在は京都の大徳寺玉林院にて茶の湯の勉強中。